それでも飲まずにいられない
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
小さな港町のパブに、太い眉を持つ赤ら顔の男が、
年老いた犬を連れて、入ってきた。 丸椅子に座った男の影を見た時、「ふっ」と、潮の匂いがした。 一杯目のギネスは、彼にとって、あまりにも軽すぎた。 赤毛の犬が、よろよろと、私の足元で異国の匂いを嗅ぎわけている。 男は、瞼を「ぽっ」と、赤く染めながら、四杯目のギネスを注文した。 ギネスの泡が、節くれだった左指を濡らしている。 生あくびをしながら老犬は、主人に帰りをせびる。 男は、唇に小さく指をあてながら、七杯目のギネスを注文した。 その時、重々しい鼻息が「フ~ッ」と、靴先に流れた様な気がした。 PR アイルランドのリムリックという音のない街に、深い緑色したドアを持つ、
ある夜、酔いすぎて、自転車を駅近くの居酒屋の軒下に置いて帰った。
草臥れた自転車だが、私の生活にとって、かけがえのない道具だった。 翌日、昼飯がてら取りにもどった。 「 ない! 自転車がない! 」 酔っ払いにやられた!と直感した。 酔って、歩いて帰るのが面倒になって、失敬したのだろう。 私は、歩いて十五分ぐらいのエリアを重点的に、捜し始めた。 なかなか見つからず困り果てた頃、昨晩、酒場で同席していた男に、バッタリ出会った。 「 どうしたの、こんな時間に? 」 「 いやあ、まいったよ、置いて帰った自転車ないんだよ? 」 「 この辺、自転車泥棒多いからねえ・・・・・ 」 しばらく、あれこれ二人で、自転車が捨ててありそうな処を考え合った。 男は、私の推理を全て却下して 「 あっちの方、探してみなよ、絶対ありそうだよ! 」 「 俺、仕事行くから、夜、又ねっ! 」 男が予言した坂道を登っていった。 すると、白いマンションの駐車場に、私の自転車が弱々しく置かれていた。 んっ、待てよ?このマンション、あの男の、・・・・ マンションだーっ!! その瞬間、犯人は、あの男だと確信した。 どうりで、ピタリと当てるはずだ。怒りが飛んで、哀しくなってきた。 その夜、「 自転車泥棒 」の話で、酒場は大いに盛り上がった。 「 今夜の酒代、罪人持ちだよ! 」 「 何言ってんだよ、自転車見つけた恩人に払わせるのかよ! 」 男は、叫んだ。 しかし、男の罪は、客達によって確定された。 |
プロフィール
HN:
村上かつみ
HP:
性別:
男性
職業:
イラストレーター
趣味:
酒
自己紹介:
酒ばっか飲んであまり
仕事しないイラストレ ーターなので、気が引 けています。 アイルランドへパブ百 軒めぐりの旅に出かけ たり、リスボンで、赤 ワインに抱かれエクス タシーに達したり、ブ ータンで稗・粟焼酎を 飲んで、大漁節を踊っ たり。と・・・ いつも、酒飲む口実を 考えながら暮らしてい る。さて、0,5ミリ のサインペン切れたの で、街へでるか!
最新コメント
[06/27 カツノリ]
[06/19 林]
[04/30 飲み屋のおやじ2世]
[04/27 M.O]
[04/24 rossa]
|