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それでも飲まずにいられない
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 小さな港町のパブに、太い眉を持つ赤ら顔の男が、

 年老いた犬を連れて、入ってきた。

 丸椅子に座った男の影を見た時、「ふっ」と、潮の匂いがした。

 一杯目のギネスは、彼にとって、あまりにも軽すぎた。

 赤毛の犬が、よろよろと、私の足元で異国の匂いを嗅ぎわけている。

 男は、瞼を「ぽっ」と、赤く染めながら、四杯目のギネスを注文した。

 ギネスの泡が、節くれだった左指を濡らしている。

 生あくびをしながら老犬は、主人に帰りをせびる。

 男は、唇に小さく指をあてながら、七杯目のギネスを注文した。

 その時、重々しい鼻息が「フ~ッ」と、靴先に流れた様な気がした。
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プロフィール
HN:
村上かつみ
性別:
男性
職業:
 イラストレーター
趣味:
自己紹介:
酒ばっか飲んであまり
仕事しないイラストレ
ーターなので、気が引
けています。
アイルランドへパブ百
軒めぐりの旅に出かけ
たり、リスボンで、赤
ワインに抱かれエクス
タシーに達したり、ブ
ータンで稗・粟焼酎を
飲んで、大漁節を踊っ
たり。と・・・
いつも、酒飲む口実を
考えながら暮らしてい
る。さて、0,5ミリ
のサインペン切れたの
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