それでも飲まずにいられない
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カウンターの隅にコップを喰う男がいる。
男は、酒場のツケが貯まると、この荒業に命をかける。 いつも、月末になると、ツケが重なりあって狂乱する。 所得に酒代が追いつかないのだ。 ツケを請求されそうな晩、ひと通り飲んだ後、コップを静かに「パリッ、パリッ」と、 かじり始める。 ノド仏が上下して、飲みこむ気配もする。 ガラスの破片が、口の中を通るのだから、口内が切れ、血が流れ出る。 その形相を見たママは、気味悪がって、追い立てるように、男を店の外へ放り出す。 男は、口元の血をぬぐいながら、ニヤッと笑い、小さく呟いた。 「 フーッ、 今夜も、勘定払わずに済んだなっ・・・・・・ 」 しかし、残念なことに、この荒業は、一回しか通用しないのが欠点だった。 そこが・・・・・・「 残念だっ!! 」 と、ため息をついていた。 ある日、男は、疲れきった仕草で、 「 俺は、ねっ、カウンターの上の電球を抜き取り、パカンと割って、煎餅をかじる様な 音を立ててバリバリ喰う時が、一番幸せだ! 」 と、石臼の様な歯を見せて笑っていた。 しかし、最近この街で、男の姿を見かけない。 噂によると、となり街で、口元を血で染めながら歩く姿を誰かが見たとか・・・・・・・・ PR |
プロフィール
HN:
村上かつみ
HP:
性別:
男性
職業:
イラストレーター
趣味:
酒
自己紹介:
酒ばっか飲んであまり
仕事しないイラストレ ーターなので、気が引 けています。 アイルランドへパブ百 軒めぐりの旅に出かけ たり、リスボンで、赤 ワインに抱かれエクス タシーに達したり、ブ ータンで稗・粟焼酎を 飲んで、大漁節を踊っ たり。と・・・ いつも、酒飲む口実を 考えながら暮らしてい る。さて、0,5ミリ のサインペン切れたの で、街へでるか!
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