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それでも飲まずにいられない
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 『 山頭火 』 に、なりたがっている男が、今日もマヨネーズをなめながら飲んでいる。

 男は、店近くの製麺工場で働いていた。

 男の趣味は、休日、東京近郊を酒をのみながら旅する事だった。

 野鳥、木々草花と語り合ってくるそうだ。

 旅する時、男は、托鉢僧が首から下げている袈裟の様な袋をぶらさげて散策する。

 山頭火の旅姿を連想、憧憬しているのだろう。

 今日も、ほろ酔い機嫌で旅から帰ってきた。

 「 おかえりっ! 」

 「今日は、青梅の方歩いてきたよ!だいぶ梅がふくらんできたねぇ、途中の酒屋で

 ワンカップ買って、梅見酒ってね・・・・・・フーッ 」

 「 人間は心だよっ、心のわからねえ奴は駄目だ、駄目だよ・・・・・・・ 」

 「 んーっ、 どっか遠くへ行きたいなぁ・・・・・・ 」

 酔って こほろぎと 寝ていたよ、 かあ・・・・・・

 俺なんか、酔って 会社で 寝ていたよ ・・・だもんねえ・・・・・・・・。

 多摩センターの 「 山頭火 」 は、気持ち良さそうに眠りはじめた。

 目尻をうっすらと、ぬらしながら。
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 ~♪ 馬鹿でしたぁ~馬鹿でしたぁ~信じた私がァいけないのォ~♪

  花から花へとォ~♪花から花へとォ~行った~人ォ~♪

 首を振りながら演歌を口ずさみ、呑んでいる。

 男は、新聞の配達人で、夕刊の配達が終わると、この酒場にやってくる。

 太った体に、酒飲みの勲章「赤鼻」を、ちょこんと笑顔にのせていた。

 男は、毎朝、午前三時には販売店に入らなければならなかった。

 いくら呑んでも、十時には蒲団に入る。

 そうしないと、翌日、地獄だと言っていた。

 その割には、夜遅く、不思議なことに、街でバッタリ出会う事が、度々あった。

 ある日、見慣れぬ若い配達人が、我が家のポストに近づいて来た。

 「 あれ? いつものおじさん、どうしたの? 」

 「 ハイ、 辞めました、なんか、集金した新聞代、使い込んだそうです、社長にバレて、

   クビになりました。今、八王子の方にいるとか・・・・・・ 」

 ん~っ、 新聞代、呑んでしまったかあ・・・・・・

 花から花へとォ~ 花から花へとォ~♪  行ったぁ~人ォ~♪ ♪
 駅前の薄汚れた小さなビルを上ると、ラーメンとカレーライスを自慢する寿司屋がある。

 親方は、話に夢中になると、手が止まり、女将さんから大きな声で、怒鳴られていた。

 「 ハイ! さっさと手を動かして! 」

 親方は、昔、下北沢で、ラーメン屋をやっていたそうだ。

 うちのビックリラーメンと餃子は、とにかく美味かった!どこにも負けなかったよ。

 我々は、寿司屋で、ラーメンを自慢されても困るのだが、親方は気にしない。

 店を見まわすと、寿司を喰っている客はいなかった。

 「 あのね~、 俺の焼くステーキ、これまた絶品よ! 」

 喰わしてやりてえなあ!と、残念そうに言う。

 ああ、そうそう、あと評判良かったのがカレーライス、これも絶品、絶品よ!

 なんてったって特製のカレー粉使ってたからねえ、スパイスにも凝ってたし、大評判よ!

 今度、店で作って喰わせようか?

 「 寿司屋で、カレー作ったら、まずいんじゃない? 」

 うん、ちょっと、匂いがねえ。

 まだ、寿司を頼む客はいない。

 「 しばらく作ってないからなあ、腕落ちたかもしんないけど、久し振りにやってみっかあ! 」

 「 アンタ! 何言ってんだよ! うちは寿司屋だよ、寿司屋、 バカ!・・・・・・・ 」
 


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プロフィール
HN:
村上かつみ
性別:
男性
職業:
 イラストレーター
趣味:
自己紹介:
酒ばっか飲んであまり
仕事しないイラストレ
ーターなので、気が引
けています。
アイルランドへパブ百
軒めぐりの旅に出かけ
たり、リスボンで、赤
ワインに抱かれエクス
タシーに達したり、ブ
ータンで稗・粟焼酎を
飲んで、大漁節を踊っ
たり。と・・・
いつも、酒飲む口実を
考えながら暮らしてい
る。さて、0,5ミリ
のサインペン切れたの
で、街へでるか!
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