それでも飲まずにいられない
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ある夜、総会屋系組織の忘年会に出席する事になった。
黒塀に囲まれた、新橋の料理屋だった。 事知らぬ私は、三面記事を覗き見する気で、軽く出かけていった。 すると、玄関には、品のない派手な背広を着た海坊主がたっていた。 「 先生! どうぞ! 二階になってます! 」 私は、この男に、先生と呼ばれる立場になかったので、面喰らってしまった。 二階の宴席に、尻ごみしながら、そろそろと入った。 まずい事に、私は、上座の真正面の席に、つい座ってしまった。 この場所では、組織の会長と正対してしまうのだ。 「 しまったぁ! 」 宴会が会長の挨拶から始まった。 思った通り、会長は、真正面に座った私に向って任侠道を語り始めた。 視線と指先が飛んでくる。 「 そうだろう? 君っ! 」 私に指先が向く。私の頭は、そのたび沈む。 「 今の ニッポン国は・・・・・ 国民の未来に対し・・・・腐りきった政治家の・・・・で、 共産主義に対抗した・・・・・・我われの・・・・・・だっ 」 私の頭は、もうタイタニック状態だ。 乾杯が終わり、飲みはじまった。 私は、混乱した頭をしずめる為に、ビールを一気に飲み干した。 来賓の挨拶など耳に届かない。 盃を持った瞬間、海坊主がすっ飛んで来た。 「 先生、どうぞ、一杯! 」 と酒をつぐ。 タバコを口にくわえると、火が飛んでくる。 私は、苦しいので、盃をやめて、コップ酒にした。これなら、ちょこ、ちょこ 飛んでこれないだろう。 私は、男達の視線からはずれる事だけに集中した。 当然、この夜の酒は、「酔い」を持ってこない。 いくら飲んでも水だ、水だーっ。 酒が水になってしまったーーーっ。 PR |
プロフィール
HN:
村上かつみ
HP:
性別:
男性
職業:
イラストレーター
趣味:
酒
自己紹介:
酒ばっか飲んであまり
仕事しないイラストレ ーターなので、気が引 けています。 アイルランドへパブ百 軒めぐりの旅に出かけ たり、リスボンで、赤 ワインに抱かれエクス タシーに達したり、ブ ータンで稗・粟焼酎を 飲んで、大漁節を踊っ たり。と・・・ いつも、酒飲む口実を 考えながら暮らしてい る。さて、0,5ミリ のサインペン切れたの で、街へでるか!
最新コメント
[06/27 カツノリ]
[06/19 林]
[04/30 飲み屋のおやじ2世]
[04/27 M.O]
[04/24 rossa]
|